本記事では、数多く存在するドローン資格について、それぞれの違い、どのような活用目的にどの資格が適しているのかといった疑問を解消します。資格の種類ごとの特徴や必要性、取得方法に加え、資格がなくても飛ばせるケースについても解説します。ドローン資格の取得を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
目次
ドローン資格の種類は主に4つ
ドローンに関わる資格は数多く存在するように見えますが、実際には大きく4つの種類に分類できます。ドローンの操縦に関する資格
まず一つ目は、ドローンの操縦に関する資格です。操縦に関する資格はドローンの基礎知識や操縦技術を証明する資格で、国土交通省に認定されているものが一般的です。これらの資格を取得すると、飛行許可や承認申請の手続きを簡略化できる場合があり、用途や使用する機体を問わず、ドローンを扱うすべての方におすすめできる資格といえます。
点検や測量など特定の技術に特化した資格
二つ目は、点検や測量など特定の技術に特化した資格です。インフラ点検や測量、空撮など、特定の業務に必要な操縦技能や専門知識を証明する資格が該当します。国土交通省認定ではないものが多く、資格がなくても業務自体は可能なケースがほとんどです。ただし、認定団体によって信頼性や実用性に差があるため、取得を検討する際は内容や実績をよく確認することが重要です。
無線に関する資格
三つ目は、無線に関する資格です。使用する電波帯によっては法律上、資格の取得が必須となる場合があります。とくに一部の産業用ドローンやFPVドローンを使用する際に必要となる場合があり、業務利用か個人利用かによって求められる資格が異なります。安全かつ合法的に運用するためにも、事前の確認が欠かせません。
農業ドローンに関する資格
四つ目は、農業ドローンに関する資格です。団体から認定を受けた農業用ドローン機体を購入・使用するために必要な資格です。操縦技術だけでなく、農業や農薬に関する知識も求められます。
代表的なドローン操縦資格をまとめて紹介
ドローンの操縦に関する資格は数多く存在しており、初めて資格取得を検討する方にとっては、どれを選べばよいのか迷ってしまうことも少なくありません。その中でも重要な前提として、まずは国土交通省認定の資格を選ぶことをおすすめします。国土交通省認定資格であれば、飛行許可・承認申請の手続きを簡略化できる場合があり、実務や業務利用を見据えるうえで大きなメリットがあるためです。その上で、自身の目的や経験レベルに応じて資格を選ぶことが大切です。
無人航空機操縦技能証明証
代表的な資格の一つが、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が認定する、無人航空機操縦技能証明証です。JUIDAはドローン業界の中でもとくに知名度が高く、取得者数やスクール数も非常に多いため、信頼性や実績の面で安心感があります。ドローン操縦者であれば多くの人が知っている資格であり、有名で通用度の高い資格を取得したいという方に適しています。カリキュラムは操縦技術だけでなく、安全管理や機体構造、メンテナンスなどの学科にも力を入れており、基礎からバランスよく学べる点が大きな特徴です。
ドローン操縦士回転翼3級
操縦技術をより重視したい方には、一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)が認定する、ドローン操縦士回転翼3級がおすすめです。DPAはJUIDAと並ぶ高い知名度を持つ団体で、全体的に実技を重視したカリキュラム構成とされやすいです。基本操作を確実に身につけたい方や操縦スキルの習得を重視する方に向いています。また、全国に展開するスクールでカリキュラムや受講料がほぼ統一されている点も特徴で、地域差による内容のばらつきが少ない点も安心材料といえます。
DJI CAMPスペシャリスト
すでに一定の操縦経験があり、DJI製ドローンを中心に活用したい方には、DJI CAMPスペシャリストが適しています。DJI CAMPスペシャリストは、世界トップシェアを誇るドローンメーカーDJIが関わっており、運営はUTC(無人航空機システム訓練センター)が行っています。特徴的なのは受講資格が設定されている点で、受講には10時間以上の操縦経験が必要です。そのため、初心者向けというよりは、既にドローンを扱ったことのある方が、技術の向上やDJI製品への理解を深める目的で取得する資格といえます。
ドローン操縦士
費用をできるだけ抑えて資格を取得したい方には、ドローン検定協会が運営するドローン教習所の、ドローン操縦士資格が選択肢となります。一般的な国土交通省認定資格では20万円前後の受講料がかかることが多い中、ドローン教習所では6〜10万円程度と比較的安価です。受講日数も2日間と短く、時間や費用を抑えたい方には魅力的です。実習ではフライトシミュレーターを活用しており、天候に左右されず安定した環境で練習できる反面、実機操作とは感覚が異なるため、慣れるまで時間がかかる場合もあります。
DRONEフライトオペレーター
空撮技術を重視する方には、一般社団法人ドローン撮影クリエーターズ協会(DPCA)が認定する、DRONEフライトオペレーターが適しています。DPCAはドローン撮影に特化した団体で、操縦技術だけでなく、撮影技術や映像表現に重点を置いた内容が特徴です。基本操縦を学ぶBASICコースと、目視外飛行など高度な内容を含むADVANCEDコースがあり、上級者向けのスキルアップにも活用できます。ただし、DPCAの講習だけでは国土交通省の申請条件である、10時間以上の操縦実績を満たせないため、資格取得後に自主練習とスクールの確認が必要になる点には注意が必要です。
測量や点検に関するドローン資格について紹介
ドローンに関する民間資格の中には、測量や点検といった特定の業務に特化した資格も存在します。ドローンを使った測量や点検では、建物や設備に近づいて飛行したり、目的に応じた精度の高い撮影を行ったりする必要があり、一般的な操縦や空撮とは少し異なる技術が求められるケースも少なくありません。こうした背景から、スクールによっては測量や点検に特化した講習コースを設け、修了者に対して独自の資格を発行している場合があります。具体的には、ドローンを用いた測量技術を証明する、ドローン測量管理士やドローン測量技能士、ドローンカメラを使った設備点検に特化した、JUIDAプラント点検専門操縦士、空撮技術を重視したDPCA商業撮影操縦士などが挙げられます。
いずれも、特定分野での実務を想定した内容となっており、業務に直結する知識やノウハウを学べる点が特徴です。一方で、これらの資格の多くは国土交通省認定資格ではなく、スクールや管理団体が独自に発行している民間資格です。
そのため、資格を取得していても、国土交通省への飛行許可・承認申請を簡略化できるわけではありません。また、資格を持っていなくても、測量や点検といった業務自体を行うことは可能です。
特化型の資格については、本当に自分の業務に必要かどうかをよく見極めることが大切です。
ドローン無線に関する資格について紹介
ドローンは無線電波を使って操縦する機器のため、操縦にあたって無線の資格が必要なのか疑問に感じる方も多いです。結論から言うと、一般に販売されている汎用型ドローンを操縦する場合、原則として無線免許は必要ありません。多くの汎用ドローンが無線免許不要で使用できる電波帯と出力で設計されているためです。具体的には、2.4GHz帯で出力が10mW以下、かつ技適マークが付いているドローンであれば、無線資格がなくても問題なく使用可能です。
日本国内で個人向けに販売されているドローンのほとんどは、この条件を満たしています。一方で、産業ドローンやFPVドローンを使用する場合には、無線の資格が必要になるケースがあります。
産業ドローンとは、測量や点検などの業務に特化した高機能なドローンを指し、長距離飛行や安定した通信を目的として、汎用ドローンとは異なる電波を使用する機種もあります。具体的には、169MHz帯や出力が最大1Wの2.4GHz帯・5.7GHz帯の電波を使用する機体を操縦する場合、第三級陸上特殊無線技士の資格が必要です。
これらの電波は通信距離が長く、操縦者から離れた場所で作業を行う産業用途に適しています。また、無線資格が必要となるもう一つの代表例がFPVドローンです。
FPVドローンは、ドローンに搭載されたカメラの映像をリアルタイムで受信し、映像を見ながら操縦するタイプのドローンで、主にドローンレースなどで使用されています。FPVドローンでは映像の遅延が少ないことが重要なため、5.8GHz帯の電波が使われており、5.8GHz帯の電波を利用するには無線免許が必要となります。
FPVドローンをビジネス用途で使用する場合は、第三級陸上特殊無線技士、個人の趣味として楽しむ場合は、第四級アマチュア無線技士の資格が必要です。さらに、無線免許が必要なドローンを操縦する際には、免許取得後に開局申請を行う必要がある点にも注意しましょう。
ドローンの種類や使用目的によって必要な無線資格は異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
農業用ドローンの資格について紹介
農業ドローンとは、農薬散布などの散布業務に対応できるよう、タンクや散布装置を搭載した特殊なドローンを指します。農業ドローンの中には、購入や使用にあたって資格が必要となる機種があり、一般的な空撮用ドローンとは異なる点が特徴です。本章では、農業ドローンに関する資格の考え方や必要性について整理しています。まず前提として、すべての農業ドローンに資格が必要というわけではありません。
農業ドローンには認証機と呼ばれる、特定の団体から性能や安全性について認証を受けた機体が存在します。こうした認証機を購入・使用する場合には、その機体を認証した団体が発行する対応資格を取得する必要があります。
資格は機種ごとに設定されているため、ひとつの資格で複数の機体を使用できるわけではなく、事前にどの機体にどの資格が必要なのかを確認することが重要です。一方で、認証を受けていない非認証機を使用する場合には、資格は必須ではありません。
ただし、非認証機の場合は、機体の安全性や性能に関する責任がすべて使用者個人にかかる点には注意が必要です。社会的な信頼性や安全面を考えると、認証機と非認証機のどちらを選ぶのかは慎重に判断する必要があります。