外壁調査では、足場を設置せずに建物の状態を確認できるドローンの活用が広がっています。しかし「操縦には資格が必要なのか」「どのような場面で使われているのか」と疑問に感じる方も多いでしょう。この記事では、ドローン調査に必要な資格の考え方や取得方法、実際の活用事例についてわかりやすく紹介します。
ドローンで外壁調査を行うには資格が必要?
ドローンによる外壁調査に興味があっても「資格がないと操縦できないのでは」と不安に感じる方もいるでしょう。実際には、飛行する場所や方法によって必要な条件が異なります。まずは、資格の必要性や法令の基本について確認していきましょう。資格がなくてもドローンを飛ばせるケースはある
日本では、ドローンを操縦するために必ず国家資格が必要というわけではありません。機体の種類や飛行場所、飛行方法によっては資格がなくても飛行できます。したがって、外壁調査を目的にドローンを導入する場合でも、すべてのケースで資格取得が義務付けられているわけではありません。ただし、建物が密集する市街地や人の近くを飛行する場合は、航空法に基づくルールを守る必要があります。飛行方法によっては国土交通省への申請や承認が必要になる場合もあり、安全に運用するための知識が欠かせません。
国家資格が求められる場面
2022年からドローンの国家資格制度が始まり「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」が設けられました。とくにレベル4飛行と呼ばれる有人地帯での目視外飛行では国家資格が必要になります。一般的な外壁調査ではレベル4飛行を行う機会は多くありませんが、今後は法改正や活用範囲の拡大に伴い、国家資格を取得する企業や操縦者が増えています。資格を保有していると、安全管理に対する信頼を得やすくなる点も大きなメリットです。
資格以上に重要なのは安全管理
外壁調査では建物の近くを飛行するため、操縦技術だけではなく安全管理の知識も求められます。飛行前の機体点検や周囲の確認、天候の判断、第三者への配慮など、多くの確認事項があります。資格を持っていても、安全管理を怠れば事故につながる恐れがあります。一方で、資格がなくても充分な知識と経験を積み、法令を守って運用している事業者も少なくありません。安全第一で調査を行える体制づくりが重要です。
ドローン資格の取得方法と学習の流れ
ドローンを業務で活用したいと考える場合は、資格取得の流れや学習方法を知っておくと安心です。国家資格だけではなく民間資格もあり、目的に合わせて選択できます。ここでは、資格取得までの一般的な流れや学習内容について紹介します。国家資格を取得する流れ
国家資格を取得するには、登録講習機関で講習を受ける方法と、指定された試験を受験する方法があります。講習では、航空法や飛行ルール、安全管理、気象に関する知識を学びます。さらに、実技講習では離着陸やホバリング、緊急時の対応など、実際の飛行に必要な技術を身につけます。講習を修了し、必要な試験に合格すると資格を取得できます。仕事でドローンを扱う予定がある場合は、実践的な講習を受けられるスクールを選ぶと技術の習得につながるでしょう。
民間資格との違い
国家資格以外にも、ドローンスクールが実施する民間資格があります。民間資格は法的な義務ではありませんが、基本的な操縦技術や安全管理を学べるため、初心者が知識を身につける手段として活用されています。企業によっては、操縦経験や技術力を判断するひとつの基準として民間資格を評価するケースもあります。将来的に国家資格の取得を目指す場合でも、最初に民間資格で基礎を学ぶ方法は有効です。
継続的な知識の更新も重要
ドローンを取り巻く制度や運用ルールは、社会の変化に合わせて見直される場合があります。したがって、一度資格を取得しただけで終わりではなく、最新の法令や飛行ルールを継続して確認する姿勢が大切です。また、新しい機体や撮影機材が登場するため、操作方法や点検方法を学び続ける必要もあります。安全で質の高い外壁調査を行うためには、資格取得後も知識や技術を磨き続ける意識が欠かせません。
ドローンを活用した外壁調査の事例とメリット
近年は戸建住宅だけではなく、マンションや商業施設、工場などさまざまな建物でドローンによる外壁調査が行われています。最後に、実際の活用事例と導入するメリットを確認していきましょう。マンションやビルの定期点検
中高層の建物では、外壁全体を確認するために足場を設置すると大きな費用と時間がかかります。ドローンを活用すれば、高所まで短時間で撮影でき、外壁のひび割れや塗装の劣化、タイルの浮きを効率よく確認できます。撮影した映像は記録として残せるため、以前の調査結果と比較しながら劣化状況を確認できる点も特徴です。戸建住宅の点検や災害後の調査
戸建住宅でも、屋根や外壁を安全に確認する方法としてドローンが利用されています。台風や地震、大雨の後には、建物へ無理に近づかずに被害状況を確認できるため、安全性の向上にもつながります。高所へ作業員が登る必要が少なくなり、依頼者もリアルタイムで映像を確認しながら説明を受けられるため、建物の状態を理解しやすい点もメリットです。今後も活用の場面は広がる
ドローンの性能は年々向上しており、高画質カメラやAIによる画像解析など、新しい技術との組み合わせも進んでいます。外壁調査だけではなく、屋根点検や橋梁、トンネルなどのインフラ点検にも活用が広がっています。今後は、より安全で効率的な調査方法として導入する企業が増えると考えられます。資格を持つ操縦者と適切な機材を組み合わせることで、品質の高い点検を実現できるでしょう。
