近年、さまざまな分野でドローンの活用が急速に広がっており、ビジネスへの導入や起業を検討する動きも増えています。しかし、ドローンビジネスにはどのような種類があり、今後どの分野が成長していくのか分からず、踏み出せないという声も少なくありません。本記事では、ドローン市場の将来性や3つの市場区分について詳しく解説します。
ドローン市場の3つの区分
ドローンビジネスは、大きく3つの市場に分類できます。それは「サービス市場」「周辺サービス市場」「機体市場」です。サービス市場とは、ドローンを実際に活用して測量・点検・物流・空撮などの事業を行う分野を指します。
周辺サービス市場は、バッテリーや部品などの消耗品の提供、メンテナンス、さらには操縦者の育成や教育など、ドローン運用を支えるサービス領域です。
そして機体市場は、ドローン本体そのものを開発・製造・販売するハードウェア領域にあたります。このように、ドローンビジネスは用途や役割によって明確に分かれています。
サービス市場は今後大きな拡大が予想される
ドローンのサービス市場は、今後大きく拡大すると予測されている分野であり、農業・土木建築・点検・物流など多様な産業で活用が進んでいます。背景には、人手不足の解消や作業効率化、コスト削減といった明確な導入メリットがあります。
農林水産業分野の活用
農業では農薬散布や肥料散布、播種、受粉、精密農業、害獣対策など幅広く利用され、とくに農薬散布はすでに普及段階にあります。水産業では水中ドローンによる漁網点検や養殖管理、水上ドローンによる給餌などが行われています。林業でも、森林調査や苗木運搬などへの活用が進行中です。
土木・建築分野と点検分野
土木・建築分野ではドローン測量がすでに普及し、施工管理や工事進捗の可視化にも活用されています。点検分野ではソーラーパネルや住宅、橋梁、ダム、送電網などのインフラ点検で導入が進み、老朽化対策や人手不足解消の手段として注目されています。
空撮・物流・警備分野の現状
空撮分野はすでに商業・報道ともに普及しており、映像制作やニュース取材に欠かせない存在となっています。一方、物流分野は実証実験段階であり、医薬品輸送などの取り組みはあるものの、社会実装には課題が残ります。
警備分野も監視や巡回などでの活用が模索されていますが、実用化はこれからの段階です。
計測・観測とエンターテインメント分野
計測・観測分野では気象データ収集や環境調査などへの活用が進み、実証から商用化へ移行しつつあります。エンターテインメント分野ではドローンショーなどがすでに実用化され、イベントやテーマパークなどで活用が拡大しています。
周辺サービス市場の拡大も期待されている
ドローンの普及にともない、周辺サービス市場も着実に拡大しています。とくに消耗品の供給、定期メンテナンス、保険サービスの多様化など、運用を支える領域の需要が増加傾向です。
さらに、今後は操縦ライセンス制度の整備により、ドローンスクールや教育分野の重要性も高まり、人材サービス市場の拡大が期待されています。
人材紹介・人材育成分野
ドローンの産業利用には高度な操縦技術が必要となるため、ドローンスクールや専門人材の紹介サービスのニーズが拡大しています。スクール事業は認定団体の資格をもとに運営され、安全運航や操縦技術の教育に加え、ビジネス活用まで支援する形も増えています。
また、人材紹介サービスやレンタル事業も参入しやすいため、保険やサポート体制による差別化が重要となるでしょう。
保険分野における活用
保険分野では、災害時の損害調査にドローンを活用する動きが進んでいます。台風などの自然災害発生時に迅速な現地確認が可能となり、保険金支払いの遅延防止に役立つでしょう。すでに実用化・普及フェーズへ移行しつつあり、保険会社や提携事業者がドローンを用いた査定業務を行うケースが増えています。
ソフトウェア開発分野の重要性
ドローン産業の拡大にともない、ソフトウェア開発の需要も高まっています。専業企業だけでなくIT企業がドローン部門を設け、制御・解析・運用管理などのソフトウェアを提供するケースが増加傾向です。また、人材サービスと連携した事業展開も見られ、ハードとソフトを組み合わせた総合的なサービス提供が重要になっています。
機体市場では大手企業参入の見込みがある
ドローンの機体市場は現在、中国のDJI社が世界シェアの約7割を占めるなど、特定企業が強い影響力をもつ分野となっています。一方で、日本国内ではソニーなどの大手企業の参入も進んでおり、産業用ドローンの社会実装を見据えた動きが活発化しています。
今後は農薬散布、点検、運搬、測量など用途別の産業用機体の需要が拡大する見込みです。
産業用ドローンへの注目
とくに注目されているのは、業務用途に特化した産業用ドローンであり、現場の課題解決に直結する機体開発が進んでいます。また、市場拡大にともない、国産メーカーでは量産体制を見据えた企業提携や技術連携も活発化しています。
